会津木綿、山田織元さん見学

というわけで!

2010年8月25日、真夏の真っ只中、会津若松市にある会津木綿の製造元「山田織元」さんへお伺いしてきましたっ。

【山田織元さん】 http://www.aizu.com/org/aizu/yamada/index.html

大変長いのでたたみます。
勢いに任せて書きなぐっているので、精度については自信がございません。そのあたりさっぴいて読んでくださいまし~。


元々私はウールの織りから入ったので、がっつんがっつん打ち込む木綿の織りは若干縁遠く感じておりました。
なんか筬が「がん!」と音たてると怖くてねー。えーえーえーそんなそんなー!という気になってしまうのです。(ウールでそれをやると、機からおろしたときに経糸が縮んで目が詰まりすぎる)
綿つながりで仲良くさせてもらっている(させてもらってるよね!?笑)マスダさんにくっついて、レッツ工場見学!
会津木綿は比較的厚手でしっかりとした生地です。
山田織元さんでは、経糸は20番と40番の双糸、緯糸は16番のスラブ単糸。どちらも日本の紡績工場でひかれた糸を使っているそう。(紡績も大手はだいぶ撤退してしまったそうですからねえ…カネボウとかクラボウとか…)

そして、基本的に会津木綿は「たて縞」メイン。たて絣を使っているものもありますが、基本的にはたて縞の色と幅を変えての反物が多かったです。(ここいらへんも昔は藍とくるみの皮くらしか染料がなかったので基本2色だったとか、地域によって縞柄が違うとか、本当に色々お話伺えて勉強になりました! 面白かった!!)

山田織元さんには何冊も「縞帳」があって、百以上の縞柄が記録されています。
私、その縞帳眺めて写真とメモとるだけで半日過ごせる自信がある。
染めは米沢にまだ工場があるそうで、そちらで。(これ聞いて米沢にも行きたくなった…)
部品は静岡。80年前製造された織り機の部品がひょいと出てくるってんだもの、どんだけすごいんだメーカーも修理屋さんも、そして今現在も稼動している織り機も。

工場内、ずらりと28台並んだ「豊田自動織機」。そう、あの車のトヨタはもともと織り機でスタートしたメーカーです。
80年ほど前の機械とのことですが、23,4台は稼動しているそうです。
一回の整経で10反分(およそ120m)の経糸を用意し、織り機にセット。通常一日で2反分くらい織れるそうです。
思ったより間丁が長くなかったかな~。
ただ、比較対象が西陣の織り機なので、対象物が間違っているのか、それとも素材の違い(綿と絹)なのか、手織りと機械織りの差なのかは不明。
【平織りの経縞を織っているトコロ】


天井から伸びたベルトが動力源です。
このベルト一本で織り機全体が稼動するんだから大したもんです。
【平織りの格子を織っているトコロ】


この格子生地はKIMONO姫で取り上げられたんですってー。写真見たけど可愛かった。
シャトル2つの切り替えも自動です!
動画短くてごめんなさい~、シャトルが往復5回目に切り替わってるんだけど、わかるかな~。
左側に「わ」になって垂れ下がっている金属の板(ジャガードの板みたいなの)、これがシャトル交換のタイミングをカウントしてます。
大元の動力から(工場全部を、モーター二つでまわしてるそうですよ)、右端のベルトを伝わって動きます。
このベルトひとつから、男巻きから経糸を送り出す、女巻きへ布を巻き取る、シャトルを飛ばす、ソウコウを上げ下げする、筬で打ち込む、シャトルの切り替えを行う、etc、機まわりすべてをからくり仕掛けでまかなっておるわけです。(しかも緯糸がなくなったら自動停止ですよ!<相方と一番感動したポイントはココ)
緯糸の番手が変われば一回あたりの経糸の送り出しと巻き取りの幅も変わっちゃうわけで、そんなとこまでアナログのくせに対応してるとか、どんだけ緻密なのこの機械。
からくり好きにはたまんないですよ!!
そんなからくり仕掛けの機械が何十台も稼動してるんで工場内は本当にものすごい音ですが、でもこの音がたまらな~い♪ (工場出たあと、しばらくは耳が「ぼわーん」となりました)

なんとオシャレな縞!
でも、こうやってこのかわいい織り機が頑張ってるのを見ちゃうとね、「呉服用の反物ってなんでああ幅が狭いまんまなのかしら」とか言えなくなっちゃうなあ。
だって80年前なんだもん。機械そのものが小さいから、これ以上幅広の反物なんて織れないよね。
今出回ってる広幅の織り機だったら、多分同じ糸を使えば広幅の反物はできると思うんですよ。
でも、それじゃ面白くない~。
この機械で、がっしょんがっしょん織ってて欲しい。
と思うのは、からくりフェチの私だけでしょうか…。
そして帰宅してさっそく豊田自動織機のホームページをチェックしてしまうわたくし。
さすがに過去の織機についての記事はなかったのですが(80年前じゃね~…)、気になる文字はっけーん。




無杼織機 - エアジェット織機
空気の噴射によりヨコ糸を飛ばす

…………シャトルがない、とな!!??
空気でとばす!?
どうやって!!??
てか、緯糸必ず複数段の織りになっちゃうよね……え、それでいいってこと?? それとも緯糸まるっとチーズやコーンごととばすのか、そんなんしたらどんだけ開口すんの。
えーえーえーどーなってんのー???
……ふうぅ、謎は尽きません……。
こりゃ最新の織機も見学しにいかないとダメかもー。どっか見せてくれるとこないかなー。
【豊田自動織機(株)】 http://www.toyota-shokki.co.jp/
お昼ご飯はお奨めのわっぱ飯をいただきました。おいしかった。なんで馬肉よりきのこのほうがお高いのだろう。
鶴ヶ城は改修作業中ですっぽり足場に包まれてました残念。
ちょこっと広幅の経絣の入った反物、衝動買いしました(いつ誰が仕立てるんだ)。
太郎焼おいしかったです。
帰り道、横浜すぎたあたりで電車が緊急停車してしまって貧血起こして行き倒れてました。
以上!

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